2007年02月16日

O'Reilly booksの"Podcasting Hacks"

O'Reilly booksの"Podcasting Hacks" :

http://www.amazon.com/gp/product/0596100663/ref=sr_11_1/104-6444656-8127924?%5Fencoding=UTF8

の序文に、著者のJ.D. Herringtonが良い文章書いています。
T.B. Leeと違って、極めて具体的でわかりやすい、
双方向Webの小論になっている。。


これに触発されて、独自に、次の骨子を思いつきました。(他に、同じ発想した人は何人もいるとは思いますが)

3/3 の拙講演や、日経IT Proの連載に取り上げたいと思います。


・Bidirectional Web とは、技術的にClient / Serverの区別が無くなってきた(雌雄同体?)、といものでは【ない】。

・ブログに象徴される、情報発信のあらゆる障壁(中でも心理的障壁、時間コストの壁が大きかった)を押し下げ、情報発信の大衆化がはかられた総合インフラこそが、Bidirectional Web。

・Podcastingは、その中でも、音楽(スピーチ、会議)の録音・制作の大衆化を先導する役目を担う。専門家とアマチュアの演奏、パフォーマンスには厳然たる差はあるが、本数的には、自分の家族が歌った演奏をWebで親戚・友人に聴かせたい、というニーズの方が間違いなく多いはず。

・この場合、コンテンツ自体(データ本体)には対価はつかないが、そのハンドリング、メタデータは、十分に有料のビジネスモデルとなり得る。

・時系列の概念があってこそはじめて、「タイムシフト」の概念も成立する。線形の放送メディアの時系列をWebにマッピングし、それを柔軟化する(タイムシフトやx1.5速の視聴のメリットは明らか)だけでもWebのパワーは大。放送界にとって脅威となり得る。

・しかし、そんなのは、Web2.0の巨大なポテンシャルのほんの入り口に過ぎない。優れたアイディアによる新ビジネスモデルの可能性も広大。未だ未知ながら。

・既存ビジネスモデルは既に根本的な修正を迫られている:
  −「無料ビューワ/リーダを提供し高価な編集ソフトの販売でコスト回収」というビジネスモデルは、双方向Webの発展とともに成り立たなくなっていく
  −Dreamweaverほどの高機能Webサイト編集ソフトが3万円台まで低下価格化したあげく、(まだ)体力のあるアドビに吸収されたのは、その1つの現れかも。



加えて、OneWebという、また1つわかりにくい、T.B.Leeの言葉の翻案や、SemanticWebとWeb2.0、Web3.0 (2.1) :
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=59439886&owner_id=114101

これらの関係についてコメントすれば、以下の拙講演のネタは十分揃うことになるでしょう:

3月3日@青山(もう満席かも。。)

14:30-15:15
 「技術者の視点でWeb2.0デザインパターンを考える」
  −アーキテクチャ(スタイル)とWeb2.0
  −W3C、Tim B.Leeの見解、スタンス
        慶應義塾大学SFC研究所・上席所員 野村直之

 いわゆるO'Reillyの「論文」の副題には、「デザインパターン」という言葉が含まれています。技術者にとっていまひとつ漠としてとらえどころがないように感じられるWeb2.0ですが、アーキテクチャ設計の基本指針というメタなガイドラインや経験知を集めた「デザインパターン」の視点でとらえると活路を見いだせるという面があります。

 そこで、今回Web1.0以前からあるRESTアーキテクチャスタイルとWeb2.0の関係、W3C、Tim B.LeeによるWebの設計思想などの基礎を踏まえた上で、XMLコンソーシアムが試作したiPlatという大きなWebシステムを事例に、Web2.0的アプリケーション像を考察します。
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上記の後半はこちらでご紹介(本当は上のアブストラクトは両方にかかるものでした):

15:15-16:00
  「Web2.0的アプリケーションを考える」
    PAGE2006クロスメディアコンファレンス報告〜iPlatを題材に〜
          XMLコンソーシアムエバンジェリスト
          PFUアクティブラボ(株) 松山憲和 様
          日立ソフトウェアエンジニアリング(株) 宮崎昭世 様
         アドソル日進(株) 荒本道隆 様  他

 "Web2.0 for Enterprise"の観点から、通常のWebServiceと、RSS/Atomベースの「軽量」WebServiceの使い分け、併用(iPlatで既に実現)について、初期の議論の成果を提示いたします。


前半も気合い入れてまいります。下記の拙作文は、T副会長にも気に入っていただけました。おかげさまで、コンピュータメーカをはじめとする大手ITベンダさんにも納得、得心いただけるものとなりました:

13:30-14:00
 「なぜXMLコンソーシアムがWeb2.0か?」
             XMLコンソーシアム副会長
            インフォテリア(株)代表取締役社長 平野洋一郎様
             XMLコンソーシアムエバンジェリスト
             メタデータ(株)代表取締役社長 野村直之

 企業情報システムとは相容れないイメージでみられがちなWeb2.0ですが、
 2つの理由で今後大きな流れになると考えます。
 第一に、10余年前の商用Web1.0の翌年にはイントラネット文書管理が出現したように、自宅で創造的な良い環境を知ったユーザは「会社では別」では済まないこと。
 第二に、Web2.0の「(社内)ユーザ参加型アーキテクチャ」、「データこそが主役」という指針により、社員から貴重な情報を引き出し(blog/SNS)、ユーザ中心に多種多様のデータと融合・連携させ(remixing)、ビジネスを活性化することが期待されます。データ、情報、知識を生かし切ることは、企業情報システムの究極のゴールではないでしょうか。
 "Web2.0 for Enterprise" をテーマに掲げ、企業情報システムのための既存の要素技術や設計思想とも組み合わせ、これからの快適な情報環境の構想と、それを実証評価する活動について説明いたします。


初出 2006.02.17 (C)メタデータ株式会社 文責:野村直之
posted by Web2.0 at 17:09| Comment(76) | TrackBack(1) | 日記